AGA治療は原則として保険適用外の「自由診療」である

「病院で受ける治療なら、3割負担で済むのでは?」と期待される方も多いですが、AGA(男性型脱毛症)の治療は、皮膚科であっても専門クリニックであっても、すべて全額自己負担の「自由診療」となります。
なぜ、医療機関での受診であるにもかかわらず保険が適用されないのでしょうか。その理由と、例外的に保険が適用されるケースについて詳しく解説します。
❶ AGAは命に関わる病気ではなく「容姿の変容」とみなされるため

日本の公的医療保険制度は、主に「命に関わる疾患」や「日常生活に支障をきたす怪我や病気」の治療を対象としています。
AGAは、日本皮膚科学会のガイドラインでも「思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症」と定義されており、健康を害したり命を脅かしたりするものではありません。
国からは「容姿を整えるための美容目的の治療」と判断されているため、残念ながら、視力を矯正するレーシック手術や美容整形などと同様の扱いとなり、保険が適用されないのです。
❷ 皮膚科でもAGA専門クリニックでも全額自己負担の扱いは変わらない

「近所の一般皮膚科なら保険が効くかもしれない」と足を運ぶ方もいらっしゃいますが、AGAの診断名で治療を受ける限り、どこの医療機関でも10割負担であることに変わりはありません。
むしろ、一般の皮膚科では「再診料」や「処方箋料」が診察のたびに発生するため、トータルコストが割高になるケースも少なくありません。
一方で、AGA専門クリニックは自由診療であることを前提に、診察料を無料に設定したり、長期処方で薬代を抑えたりするなど、独自の価格設定を行っているのが特徴です。
❸ ただし「円形脱毛症」や「脂漏性皮膚炎」など保険が効く脱毛症もある

「抜け毛=すべて保険外」というわけではありません。もしあなたの抜け毛の原因がAGAではなく、以下のような「疾患」である場合は、保険診療の対象となります。
- 円形脱毛症: 自己免疫疾患の一種とされ、保険での治療が可能です。
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん): 頭皮の炎症や過剰な皮脂が原因の抜け毛。
- 接触性皮膚炎: シャンプーなどの薬害による頭皮トラブル。
「自分の抜け毛がAGAなのか、それとも保険が効く病気なのか」を正しく見極めることが、無駄な出費を抑える第一歩です。まずは一度、専門医に頭皮の状態を確認してもらうことをおすすめします。
保険が効かなくてもAGA治療費を最小限に抑える3つの最適解

「保険が効かないなら、やはり高額な費用がかかり続けるのでは?」と不安に思う必要はありません。現在のAGA治療は選択肢を賢く選ぶことで、飲み物代程度の月額費用に抑えることが可能です。
家計に負担をかけず、かつ効果を妥協しないための「3つの最適解」を解説します。
❶ 国内承認済みの「ジェネリック医薬品(複製薬)」を選択する

最も確実に費用を抑える方法は、先発薬ではなく「ジェネリック医薬品」を選ぶことです。
AGA治療の主軸となる「フィナステリド」や「デュタステリド」には、厚生労働省から製造販売承認を得た安価なジェネリックが多数存在します。
これらは先発薬(プロペシア等)と有効成分や効果・安全性が同等であることが証明されていますが、開発コストがかかっていない分、ジェネリック医薬品の価格は先発薬の約半分〜3分の1程度に設定されています。
「高い薬の方が効く」というわけではないため、賢くジェネリックを選択しましょう
❷ 店舗家賃や人件費を抑えた「オンライン診療」を活用する

近年、急速に普及している「オンライン診療」特化型のクリニックを選ぶのも有効な手段です。
オンライン完結型のクリニックは、駅前の高価な一等地に実店舗を構える必要がなく、受付スタッフなどの固定費も最小限に抑えられています。
その削減されたコストが「診察料無料」や「薬代の割引」としてユーザーに還元されているため、対面の皮膚科に通うよりも大幅に安くなる傾向があります。
通院のための交通費や待ち時間もゼロになるため、タイパ(タイムパフォーマンス)の面でも最強の選択肢と言えます。
❸ フィナステリドなど「守りの治療」に絞って月額費用を固定する

「あれもこれも」とオプションを追加せず、まずは「守りの治療」に専念することで費用は劇的に抑えられます。
AGA治療には、抜け毛を止めて現状を維持する「守りの薬(フィナステリド等)」と、血流を改善して髪を増やす「攻めの薬(ミノキシジル等)」があります。
特に進行が初期段階であれば、まずは月額3,000円〜5,000円程度で済む「守りの内服薬」1本からスタートするのが最も効率的です。
最初から高額なメソセラピー(注入治療)やサプリメントのセットプランを契約せず、エビデンスに基づいた最低限の薬から始めることが長期的な出費を抑える最大のコツです。
【費用比較】一般の皮膚科とAGA専門クリニックではどちらが安いか

結論から言うと、「とにかく安く、手間なく始めたい」のであれば、AGA専門クリニック(特にオンライン完結型)に軍配が上がります。
一方で、一般の皮膚科は「薬代以外の不透明な費用」が発生しやすいという側面があります。
❶ 皮膚科は初診料が発生するが薬代以外の追加費用が少ない

街の皮膚科を受診する場合、AGA治療は自由診療扱いになるため、クリニックによって「初診料・再診料」の設定がバラバラです。
一般的には皮膚科の診察のたびに1,000円〜3,000円程度の診察料がかかります。
また、皮膚科はあくまで「薬を処方する場所」であるため、過度な勧誘がないという安心感はあります。
しかし、ジェネリック医薬品の在庫がなかったり、処方期間が短かったり(1ヶ月分のみなど)することがあり、結果として通院のための交通費や手間がコストとして積み上がってしまう場合があります。
❷ 専門クリニックは診察料無料が多くセットプランで総額を抑えやすい

AGA専門クリニックの多くは、診察料を「無料」に設定しています。これは自由診療に特化しているからこそできる仕組みで、純粋に「薬代だけ」を支払えばよいという明朗会計が魅力です。
さらに、数ヶ月分をまとめて購入する「定期配送」や「セットプラン」を利用することで、1ヶ月あたりの単価が一般の皮膚科よりも安くなるよう設計されているケースがほとんどです。
血液検査なども無料、あるいは安価で提供されていることが多く、トータルコストの把握が容易です。
❸ 継続的な通院を考えるならオンライン完結型の専門クリニックが最安

最もコストパフォーマンスが高いのは、オンライン診療に特化した専門クリニックです。
実店舗を持たないことで固定費を徹底的に削っているため、フィナステリドなどの国内承認薬を「最安値水準」で提供しています。
AGA治療は、日本皮膚科学会のガイドラインでも「継続的な治療」が強く推奨されています。
数年以上続くことが前提の治療において、毎月の薬代を数千円抑えられるオンライン診療は、数年後には数万円〜十数万円という大きな差となって現れます。
「コスパ重視」で選ぶなら、まずはオンライン専門クリニックの価格を基準にするのが正解です。
AGA治療は「医療費控除」の対象にも基本的には含まれない

医療費控除とは、1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に所得控除を受けられる制度ですが、すべての医療支出が対象になるわけではありません。
AGA治療がなぜ対象外となるのか、その線引きを明確にしましょう。
❶ 税務署の判断基準でもAGA治療は「容姿を整えるための費用」とされる

国税庁の見解では、医療費控除の対象は「病気や怪我の治療のために直接必要な費用」に限定されています。
前述の通り、AGAは命に関わる疾患ではなく、「容姿を美しく整えるための、いわゆる美容目的の支出」とみなされます。
これは、美容整形やビタミン剤の購入、予防接種などが原則として控除対象外になるのと同じ論理です。
医師の処方箋があったとしても、その目的が「容姿の改善」であれば、税務署では医療費として認められないのが一般的です。
❷ 例外として「心身の健康への著しい影響」が認められる場合は稀にある

極めて稀なケースですが、脱毛によって深刻な精神的苦痛を感じ、抑うつ状態になるなど「心身の健康を維持するために治療が不可欠である」場合があります。
医師が判断し、診断書が発行されるような場合には、控除の対象として認められる可能性がゼロではありません。
ただし、これはあくまで例外中の例外です。
一般的なAGA治療において「見た目を若々しくしたい」「生え際を戻したい」という動機で受ける治療については、税務署の調査が入った際に否認されるリスクが非常に高いことを理解しておく必要があります。
❸ 期待しすぎず「控除なし」を前提に家計の予算を組むのが賢明

「もしかしたら通るかも」と期待して確定申告に含めてしまうと、後日修正申告を求められたり、過少申告加算税が課されたりする手間が発生しかねません。
30代〜50代の賢い選択としては、医療費控除に頼るのではなく、「最初からジェネリック医薬品やオンライン診療を活用して、控除がなくても痛くない金額にまでランニングコストを下げる」ことです。
還付金をあてにするよりも、毎月の支払額そのものを最小化する方が、確実かつ健全に治療を継続できる近道と言えます。
納得して治療を始めるために!失敗しないクリニック選びの基準

AGA治療は、一度始めたら数年単位で付き合っていくものです。目先のキャンペーン価格だけでなく、長期的な信頼性と透明性を見極めるためのポイントを押さえましょう。
❶ 公式サイトで「薬代・診察料・検査代」の総額を明記しているか確認する

自由診療において最も多いトラブルは、会計時の「想定外の追加費用」です。 良心的なクリニックは、公式サイトに「診察料」「血液検査代」「お薬代」など、発生しうるすべての費用を明確に記載しています。
逆に、「月々〇〇円〜」という最安値だけを強調し、初診料や処方料の記載が曖昧な場所は注意が必要です。
カウンセリングを受ける前に、必ず「提示されている金額以外に1円もかからないか」をネット上で確認できるクリニックを選びましょう。
❷ ガイドラインで推奨度Aの「ミノキシジル」「フィナステリド」を主軸にしているか

クリニック独自の「オリジナル配合薬」や「高額な注入治療(メソセラピー)」ばかりを強く勧めてくる場合は慎重になりましょう。
日本皮膚科学会の『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』では、医学的根拠に基づき、以下の成分が最高ランクの「推奨度A」と定められています。
- フィナステリド・デュタステリド(内服): 抜け毛の進行を抑える
- ミノキシジル(外用): 発毛を促進する
まずはこれらの「標準治療」を軸に提案してくれるかどうかが、誠実なクリニックを見分ける最大の指標です。医学的根拠の薄い高額オプションを無理に勧めてこないか、冷静に判断してください。
❸ 無理な高額医療ローンを勧めてこない「都度払い」可能な場所を選ぶ

「今日契約すれば安くなる」と、数十万円の医療ローンを組ませようとする強引なカウンセリングには注意が必要です。
AGA治療の効果には個人差があり、体質に合わない場合は薬を変更したり中断したりする必要があります。
1ヶ月単位での「都度払い」や、解約手数料なしでいつでも止められる定期便を用意しているクリニックであれば、経済的なリスクを最小限に抑えられます。
自分のペースで、納得しながら一歩ずつ進められる環境が、結果として治療の成功率(継続率)を高めることにつながります。
まとめ:保険適用外でも月々数千円からAGA治療はスタートできる
AGA治療に保険が適用されないのは、それが命に関わる病気ではなく「QOL(生活の質)を向上させるためのケア」と位置づけられているからです。
しかし、公的制度のサポートがなくても、現代の治療環境はユーザーに非常に有利な状況となっています。
「そもそも自分は本当にAGAなのか?」という不安を抱えたまま悩む時間は、最ももったいないコストです。
まずはプロの目で見てもらい、保険が効く「皮膚疾患」なのか、自由診療となる「AGA」なのかを明確にしましょう。診断を受けるだけならリスクはゼロです。
自由診療=高い、というイメージは過去のものです。国内承認済みのジェネリック医薬品を選び、店舗運営コストの低いオンライン診療を活用すれば、月々の費用を数千円に抑えることは十分に可能です。
AGAは進行性の症状です。放置して薄毛が進んでしまえば、元に戻すために必要な薬の種類が増え、より高額な注入治療や植毛を検討しなければならなくなります。
最も安く、最も効果的に髪を守る方法は、「毛根が元気なうちに、最も安いプランで守りの治療を始めること」に他なりません。
【この記事で参考にした資料】
- 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
公益社団法人日本皮膚科学会 - プロペシア医薬品インタビューフォーム/オルガノン株式会社
- フィナステリド説明書/沢井製薬
- ザガーロ 製品基本情報/GSKグラクソスミスクライン
- デュタステリドカプセル0.5mgAV/日医工
- リアップ説明書/大正製薬
- プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起について
/厚生労働省 - ミノキシジルの発毛作用について
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